胃がんX線検診は、わが国のがん検診の中で有効性が証明されている検査法の1つであります。そのあり方は食生活を初めとする生活習慣や社会環境、経済情勢、人口動態、二次予防医学の位置づけ、医学ならびに科学の進歩などに応じて変化します。医療の現場ではデジタル化の進行、熟練読影医の深刻な減少といった変化が起き、対応が求められております。
胃がんX線検診の未来創造のためには、変化に対応しつつ、検診精度をさらに上げ、有用性を発信し、受診者の信頼を得ることが重要となります。そのためには胃がんX線検診の従事者である私共がその使命感を持ち、与えられた役割を考え、懸命に果たそうとする行動が求められます。
このたび私共は、社会の福祉に貢献する使命感を持ち、がん検診の基本理念である救命可能ながんを数多く発見するという役割を果たすために「消化管読影支援研究所(G. I. Lab㈱)」を設置することと致しました。本研究所では、遠隔読影システムを導入し、現在進行中のデジタル化に対応するとともに医師の読影と技師の撮影についての技術支援を通して精度レベルの向上をはかり、より多くの人々が癌の不安から開放され安心で健康に暮らせる社会の実現に貢献することを目的としております。
各界の皆様には、上記趣旨をご理解、ご賛同いただき、本研究所への積極的な参加をお願い申し上げる次第でございます。また、今後ともこれまで以上のご指導とご鞭撻を賜りますよう重ねてお願い申し上げます。
平成22年6月
消化管読影支援研究所 発起人一同
馬場 保昌 | 医療法人社団進興会 |
杉野 吉則 | 慶應義塾大学病院 |
入口 陽介 | 東京都がん検診センター |
中原 慶太 | 佐賀県医師会成人病予防センター |
吉田 諭史 | 慶應義塾大学病院予防医療センター |
丹羽 誠 | 伏見製薬株式会社 |
伏見 俊毅 | 株式会社伏見製薬所 |